組織活性化コラム

「二種類」の人間

    先月の終わりから、かなりきつい日程で「移動」を繰り返してきました。スケジュールは順番に埋まっていくものではなくて、変更・修正・追加していきます。そして、気付くととんでもない「状況」になってしまうこともあります。
    ある日、朝宮崎の自宅で飛び起き、車で350Km移動して福岡に到着。そのまま飛行機に飛び乗って911Km(福岡〜羽田)を移動。横浜に泊まって、翌日目一杯研修をして、夕方の飛行機で博多に帰りました。まぁ、10歳ほど若ければなんでもない移動なのですが、腰痛持ちの頭の薄い「おっさん」には、ミドル級の重さです。

     

    福岡での通勤は、基本的に「自転車」です。雨さえ降らなければ、気安く「ロードバイク」を引っ張りだして事務所へ向かいます。福岡市は、人口「149万人」人口密度「4360人/Km2」ですから、まぁまぁの都会です。おまけに私が住んでいるところは、博多駅のすぐ近くなので、まさに繁華街です。その繁華街をさっそうと?かけ抜けて事務所へ出勤します。

    さて、その自転車通勤の真っ最中、気になって仕方ないのが「スマホ」に「イヤホーン」の人々です。自転車は、軽車両ですから「車道通行」が義務付けられています。私も概ね「車道通行」をするのですが、博多駅の両サイドにあるガード下だけは、極端に車道が狭いため「歩道通行」をしなければなりません。(特に筑紫口のグリーンホテルから博多口に向かうガード下は交通量も多くかなり危険です)
    朝、その区間だけは「歩道」を使うのですが、この「歩道」に【危険】がいっぱいなのです。老若男女を問わず、「イヤホーン」をつけて「スマホ」をのぞき込んでいるのです。当然、【自分の世界】に浸っているので、前方から自転車やってこようが、歩行者がこようがまったくお構いなし。せめてまっすぐ歩いてくれれば助かるのですが、ニタニタ笑いながら蛇行するので、こちらとしては「予測」がつかない。横断歩道では、近づいてくる車両にも気づかずに、危ないことこの上ない。

    今朝、信号が青になり横断歩道を渡る時、大きな帽子にマスクをして、大きなサングラスをして、携帯電話を覗き込みながらイヤホーンをした女性とすれ違いました。私は信号待ちからの動きだったのでゆっくりとした動きでした。信号が青に変わった時に、女性がまったく周囲の気配に注意を払っていないのに気づいていたので、横断歩道を大きく膨らんで渡り、何事もなかったのですが、私が渡りきった頃、後ろで自転車が転倒する音が聞こえました。振り返ると、信号が青なので歩道からかなりのスピード突っ込んできた自転車が、不規則な動きをする女性を避けられず、接触してしまったようでした。9月の日差しは強いので、帽子やマスクやサングラスでの「日よけ対策」は分かるのですが、「スマホ」と「イヤホーン」はいただけない。おまけにニタニタ笑っているので、気持ち悪い・・・。

    「歩行者」と「軽車両」の接触なので、当然のことながら「軽車両」の責任は大きい。仮に「歩行者」と「車両」の関係でもそれは同じです。社会通念上、「交通事故」は大きいほうが絶対に悪い。
    しかしながら、と考えこんでしまうのは、周囲にまったく気を配らず、自分の世界に浸りきっている年代を問わない人物たちの存在です。自分の部屋ならばいざしらず、外部へ踏み出せば、それなりの「社会性」は要求されるものです。「大声は出さない」「歩行喫煙はしない」「タンやつばを吐かない」「人を睨みつけない」「極端に横に広がらない」・・・。同じように「周囲に気を配る」ということがあっていいはずなのですが、どうもこのあたりの細やかさを失っている人間が少なくないようです。
    折しも、テレビでは女性に対する「ひったくり」や「性的暴行事件」の対策の一つとして「イヤホーン」をしたまま歩かない、などということを言っていました。現実問題として、こうした【無防備さ】が犯罪を誘発しているということも言えるようです。
    旅先で、電車にのるたびに、駅で乗降するたびに、歩道を歩くたびに、同じ風景を目にします。自分の世界に耽溺して、まったく周囲の気配に興味を示していない人たちの群れです。若い世代だけではなく、40〜50代の「じじぃども」まで同じようなことをしています。

    どうやら、現代日本には、明確に2種類の「人種」がいるようです。
    【危険】や【危機】に気を配る人種と、【ボケ人間】です。
    時々、経営者や後継者にも「ボケ側」の人間を見つけたりしますが・・・。

    「無防備」な人々

    関連記事

    TOP