ある時、そんな言葉をかけられた。
なるほど、確かにすべての事について、人間は自分が主体なので、他人と何ものかを比較しても意味はない。しかしながら、それは当たり前のことなので、改めて口に出して言うことでもない。
それでも、静かに話を聴いていたのは、そう言ったのが若い男性だったからです。
「しかし、人間は成長しなければならない側面も持っているから、一概に比較することが悪いとは言えないんじゃないかな?」
私にしては、珍しく優しい声色でそう言ったのは、その青年とコミュニケーションが取れているとはいえなかったからです。コミュニケーションが取れていたら、「何寝ぼけたことを言ってやがる!」と怒鳴っていたかもしれない。現代人は社会の中で生きているので、その中で成長するためには、他人との比較がまずスタートラインにあって、それを意識しない成長は、単なる自己満足に過ぎないのです。
こんな馬鹿なことを平時で若い世代が口にするのは「戦後66年」の【悪しき平等主義】もあるのかもしれない。
~人間は生まれながらにして平等である~
というのは、誤った教育です。
~人間は生まれながらにして平等であるべきだ~
と言うのが、正しい。なぜならば、生まれついた瞬間から人間は平等ではない。生まれた時代、生まれた場所、生まれた環境によって、平等さは失われている。身近なところで考えても、都会と田舎の違いだけでも「平等」ではないのです。ましてや、日本に生まれたか途上国に生まれたかの違いも考えられないとするならば、思考が停止しているとしか言いようがない。
「人生は金だけじゃないと思うんです」
なるほど、確かに金だけではない。同じように、あるいはそれ以上に大切なものはある。しかし、それも当たり前のことで、改めて口に出す話でもない。何よりも、物々交換などという優雅な時代を生きているわけではないのだから、金がなければ生きていけない、という現実を無視した言葉であれば、馬鹿な台詞を言っている。
「No1よりオンリーワンだと思います」
立て続けにそんなことを言われた。
あちゃぁ、これが噂の「世界にひとつだけの花」症候群かぁ!!!
~NO.1 にならなくてもいい もともと特別な Only one・・・・~
当たり前のことをわざわざ書いて、No1グループに歌わせるという「社会の」茶番が、こんな変な若者を生み出してるのか?どう考えても、まともな「男」が口にしないような言葉を平気でぺらぺらと口にする。
この男、「後継者」なんだそうです。
とじき、ほうほうの体で逃げ出しました。
久しぶりに、「気持ちの悪い」ものに出くわした気分でした。
こういう「後継者」を持った組織の行く末を思うとき暗然とする。
「誰もそのおかしさを教えてあげなかったのだろうか?いやいや、30歳を越えてそのおかしさに気付かない本人が悪いのか?」
こりゃぁ、終わっている・・・・。
最近、この手の「若者」が少なくないのです。