2010年に始まった「アラブの春」の時に、ある評論家がこれをきっかけに中東が不安定化してそれが世界に波及するというかなり過激な発言をしていたことを覚えています。当時の日本のマスコミは「Twitter」や「Facebook」を活用して市民が立ち上がったIT革命の産物だというトンチンカンな礼賛解説をしていて、裏から米国などが情報操作をしていたことなどは報道しませんでした。
実際に「チュニジア」「エジプト」「リビア」「イエメン」と政権の崩壊が続き、「アルジェリア」「モロッコ」「サウジアラビア」「イラク」「クウェート」「オマーン」など政情が一気に悪化して、それが「シリア」に及びました。本格的な外交戦略を持っていなかった米国のオバマ政権は「シリア問題」に介入できず、「ロシア」の台頭を許しました。結果「ウクライナ問題」でも動けず、民間機撃墜事件でも立ちすくみ、世界は混乱の中に入っていまいました。

産油地域が混乱したので原油価格が高騰し、エネルギーコストの上昇を促し、これが原料・資材の高騰を招き、世界経済を圧迫しています。日本の場合、それらと「原発問題」「高齢化社会問題」「税制改革」がもつれ合い、賃金上昇と連動しないデフレ社会を発生させてしまいました。上辺の景気回復と、実際の景気停滞が日本社会の中で渦を巻いています。

そして、中東の火薬庫と呼ばれた「イスラエル問題」がガザ地区で火を吹き、世界中が注目しつつ、手がつけられない状態が続いています。同時に「中国」でもウィグル族の対応を誤った共産党政権の中で、権力争いと反政府活動が進行していて、国民虐殺が始まりました。

日本のネジの緩んだマスコミ報道を見ていると、時代変化に関する鈍さだけを感じてしまいます。実際に「従来型社会」が国際的規模で音を立てて崩れていっているのに、風景を見らず、音を聞かず、ぼんやりと指を咥えているようです。すでに世界は交通インフラと情報インフラの成熟によって、ひとつにつながっています。世界の動きと無縁に、国家運営や社会構築は出来ません。当然、組織運営や会社経営もそれらと連動しています。

【絶対】とは、例えば「方角」のことです。東西南北は、誰がどこで観測しても東西南北です。だから「絶対」なのです。それに対して【相対】とは「方向」のことです。自分から見て、左右上下、前後なので「相対」です。
組織運営や会社経営は、この「絶対」と「相対」のバランスを取りつつ、次の世代に組織を受け渡してゆく活動を行わなければなりません。

どれほどの情報が必要か。どれほどの分析が必要か。どれほどの考察が必要か。そして、どのような決断が必要か・・・。

面白い時代に生まれ、面白い世代になって、面白い変化を見ているのだなと考えています。