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 コンサルティングの現場で「ゆとり世代」という言葉を聞くようになったのは、ここ3,4年のことです。いつの時代もベテランが若い世代に対して諦めたようにレッテルを貼るのですが、この「ゆとり世代」は筋の悪い表現です。かつて若い世代のことを「新人類」とか「宇宙人」などと呼んだのは区別でしたが、この「ゆとり世代」という呼称にはどこか馬鹿にしたような差別の匂いがして気になってしまいます。

 「ゆとり世代」とは、1987年〜2004年までに生まれた現在12歳から29歳の人達のことを指します。年齢を見ると、今回のリオ五輪のメダリストの多くがこの世代であることに気づきます。さてこれはどういう意味を持っているのでしょうか。

 

「パソコンが使えない」世代?

 様々なメディアで「昨今の若者たちはパソコンが使えない」というネガティブな情報が流れています。挨拶もできない、まともに返事もできない、などともに鬼の首を取ったように若者を馬鹿にしたような記事です。実際に企業訪問をして直接若い世代を見ているので、決してそうした事例が多くないことは知っているのですが、マスコミの記事は陰湿です。昔の価値観を振りかざし、自分に正義があるようないびつな評価しかしていないような気がします。

 さて、こういう情報はいかがでしょうか。海外で日本の「ロボット製造機器」が敬遠されてきているという話です。日本の製造機械は優秀なのですが、インターフェイスがキーボードになっていて使いにくいというのです。それに比べて諸外国の機器は、タッチパネル式なので新人からベテランまで使いやすい。結果、日本のお家芸である「ロボット分野」でシェアを落としつつあるというのです。この話をある製造系企業の経営者にしたところ、実際にドイツまで最新式の機械を見に行ったのだが、すべてタッチ式だったと教えてくれました。

 

本当の時代変化を見落とすな!

 昭和の終わり頃にワープロ専用機が出てきた時に、古い世代の人達はキーボードが使えませんでした。個人的には上司や経営者からワープロを打ってくれという依頼を受けたものでした。1995年のWindows95の出現で多くの人達がパソコンを使うようになりそれが普通だという時代が来ました。そしてその流れの延長線上に、キーボードを使わなくても大丈夫だという時代が来ているにもかかわらず、その時代変化が見えていない現実があります。ある記事では、東京大学の学生がスマホの「フリック式」という入力方法で卒論を書いたというものを読みました。「ゆとり世代」や「パソコンが使えない」などという安易なマスコミの論調に乗っかって、自分自身の視点を見失うと、正確な時代変化を見落としてしまうかもしれません。