怖い文章を見つけました。

 

「管理者側がベテランに遠慮して実質的に監督不在の状態が生じると、その環境がベテラン側の意識にも影響を与え、ベテランの間に二極化現象が発生する。現場のリーダーとしての責任感を抱いて技能にさらに磨きをかけるタイプと、ベテランとしての地位に安住して向上心を失ってしまうタイプである。言い換えれば、「周囲の模範となるベテラン」と「単に経験年数が長いだけのベテラン」の二種類に分かれるということだ」

 

工場での出来事としても、サービス系の企業の話としても、建設系企業の話としても、どの業種にも当てはまる話です。この文章の中に、企業再構築の鍵があります。

どの業種でも「技」を要求されます。手早く客を捌く「技」やどんな複雑な部分にでも溶接できる「技」、型枠を組む「技」、現場を手早く仕上げる「技」。これらはすべて【経験】を要求されます。【経験】は年数を伴うので、当然年長者がその位置を占めて生きます。組織の中で、その位置を占める人々が「改善意識」に富んでいるか「向上心を失っているか」は、その組織の未来を決定付けます。

 

「時代」がゆっくりと右肩上がりをしているときならばいざ知らず、「時代」が大きく動いている現在、組織として【変化に対応】する必要があります。その部分に目を向けなければ、【マーケティング】という、次の売り物を探したり、育てたり、顧客を獲得したりすることが出来ません。

なぜか、中小企業は【マーケティング】に関して無関心です。理由はいくつかあるのですが、二年後三年後の「売上」を考えるとき、この【マーケティング】という技術は必須のものとなります。そのとき【組織の中核部分を構成する】【ベテラン】と呼ばれる人々が、他の部門の動きに無関心であったり、現在の地位に安住している状態であったとしたら、【次の芽】は消えてゆきます。

「建設系企業」が「介護事業」に乗り出して成功しているという報道の実態は、コンサル会社の推薦する介護専門の人間を新規に雇い、その下に建設とはまったく関係のない業種の人間を配置しているだけです。「建設系企業」が農業分野に進出しているといいながら、本来その企業に従事していた人間は一切関っていないという実態があります。おまけに「財務状況」は赤字という姿が実態であることも私は知っています。

 

こうしたやり方が、真の「企業発展」ではないことは当然の理です。

実は、【ベテラン職員】こそ、業界の裏表、組織の裏表を知り尽くしているという観点から【マーケティング】の最前線に立つべきなのです。もちろん【アーケティング】全体のマネジメントという意味ではなく、業界の「プロセス」を知るものとしての関わりにおいて【ベテランの力】が必要なのです。

自分の力量に慢心しているために、周囲の指導やアドバイスを受け入れようとせず、新しい知識や技能を身につけようという意欲もない。それどころか、自分のやり方が一番正しいと思い込み、規則やマニュアルをあっさりと無視する。このような名前だけのベテランが安全管理上の盲点となり、予想外の自己を引き起こすことになるのである」

実は、安全管理上について書かれたこれらの文章の中に、組織をどのように変えていくのかという命題が含まれています。

最近コンサルティングの実務上、【全社教育】を行い仕組みを変えていくと同時に、進捗に応じて【年代別教育訓練】という手法を使って社内の活性化を図っています。部門別教育という従来型の教育訓練に加え【年代別】という要素を加え、時代に合った変化を促そうとしています。

18歳や22歳の新入社員のほとんどが「スティーブ・マックイン」や「アラン・ドロン」を知らないという話は以前何度か別のコラムで紹介したとおりです。組織内の「共通言語」すら失われている可能性がある時代なのです。これくらい言わなくても判るだろう、などという思い込みが組織を大きく阻害しています。同時に潜在的に【ベテラン職員】が持っている能力をどのように引き出すかも今後の組織に課せられたものです。