【躾】と書いて、「しつけ」と読みます。

「業務」は出来ても「しつけ」の出来てない企業は多くあります。

たとえば、「書類整理」は出来ても、電話の応対が出来ない事務員さんは、「総務の仕事」をしているとはいえません。「施工」は出来ても、地元対策が出来なくて苦情を抱え込む現場代理人は「施工管理の仕事」をしているとはいえません。「販売」は出来ても、アフターフォローが出来ずリピーターを確保できない営業担当は「営業の仕事」をしているとはいえません。

実際に直接企業を訪問して感じるアンバランスさは、上記のような「しつけ」の不在による、「精度不足」が原因で、多くの場合、【業績】に比例します。

 

「先生、儲かっている会社と儲かっていない会社の違いは何ですか?」とよく質問されます。私の答は決まっています。  「すべて、違います!!」

利益確保の観点から見た場合、きちんと【利益確保】出来ている企業は、「整理」が行き届き「整頓」され「清掃」がなされ、「清潔」さが維持され、何よりも「職員へのしつけ」が出来ています。売り上げが上がらない原因の多くは、こうした【仕組み】がないことによります。利益が確保できない原因の多くも【仕組み】がないことにあります。
「あの会社にはいい社員が居て・・・・」 と、言い訳をする経営者や経営幹部に多く会います。
「あの会社には、いい技術者が居て・・・。」
「あそこには、いい営業マンが居て・・・・」
「あそこには、いい仲居さんがいるからなぁ・・・・」

業績不振の多くの経営者は、他人の芝生が青く見えるようです。
「なぜそうなるか?」
それは、比較する企業の【仕組み】に目を向けていないからです。
伸びている企業がいかに膨大なコストをかけて「社員教育」や「訓練」を行い「しつけの浸透を図っているか」、他社をうらやむ社長たちは知りません。

 

「片付けをすりゃいいんだろ。5Sなどとたいそうなことを言うな!」
と面と向かって言われたことが何度もあります。  しかしながら、儲かっていない会社には、儲かっていない理由があることを私は知っています。
職員への「しつけ」が出来ていなくて、企業が生き残っていけるのかどうか?  「整理・整頓・清掃・清潔」すら出来ない企業が利益を上げられるかどうか?
組織構成員達の紙一重の【意識の違い】と【足元のスタートライン】に気づくかどうかが今後のすべてを決定します。