とじき雑感

組織の「リズム」について考える

    音楽の三要素とは、メロディー(旋律)・ハーモニー(和音)・リズム(拍子)のことをいいます。

    美しい音楽とは、この三要素が整った状態のことを指し、どの楽曲もこの要素が壊れてしまっては、聴くに耐えない。
    不快なメロディー、にごったハーモニー、狂ったリズムは、音楽ではない。音楽ではないので、誰も聞いてはくれない。人が聞いてくれないものはもはや音楽ではない。

    ではその中でどれが一番大切か?
    どれが欠けても成り立たない以上、意味のない設問なのだが、あえて言えば「リズム」ということになるでしょうか。

    「リズム」は先を【予想】させる
    音の高低や組み合わせは、聞かなければわからないけれども、「リズム」は先取りすることが出来る。少々メロディーが狂っても、わずかにハーモニーがずれても大きく音楽が破綻することはない。ところが「リズム」の狂いは全てをぶち壊す。今まで営々と積み上げたものを一挙に壊す。壊した挙句、何も残らない。

    「リズム」は先を【予想】させるのです。
    「予想」させせて初めて、その音楽に参加した人々は、安心してメロディーをかなで、ハーモニーを重ねられる。そして「予想」出来ることが、聴き手(リスナー)を安心させる。

    先ほど、経営陣と現場サイドの「リズム」が狂っている企業の幹部から電話をもらいました。
    経営陣は「仕組み」を、【形】として捉え、固定化させようとしている。現場サイドは「仕組み」を【流れ】として捉え、流動化させようとしている。
    どちらも、正しいのです。
    しかしながら、「リズム」が狂っているので、音楽として成り立っていない。つまり、演奏者たち(そこで働く人々)が「不安」の中で楽器を握り締めている。いつ音を出せばいいのか、どこから始めればいいのか、次にどんな展開になるのか予測が出来ないでいる。
    そして、聴き手(リスナー)させも不安に陥れる。

    よその会社は「ビート」で悩んでいると言うのに、その企業は「リズム」で悩んでいる。

    編曲者(アレンジャー)・とじきは、途方に暮れる・・・。

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