素朴な疑問

 

「とじきさん、5S活動をすれば儲かりますか?」
という質問をもらうことがあります。ゆっくり私は首を振ります。
「片付けたぐらいで、儲けが出るわけはないだろう!」
そんな話をされることもあります。同じように、私は首を振ります。

どちらの話も「半分」正解で、「半分」は間違いです。
考えてみれば分かります。「5S活動」とは「整理・整頓・清掃・清潔・しつけ」という5つの要素を組み合わせたものですが、「5S活動」で利益が出るのならば、社員全員で毎日「5S」をやっていればいい。営業もせず、製作もせず、販売もせず、「5S」だけをやっていればいい。「5S活動」をやったところで、利益がでるわけではありません。
「片付けたくらいで・・・」と言われても、困ってしまいます。「5S活動」とは、組織の中の【仕組み(システム)】のことであって、片付けとはまったく違うものです。それをごっちゃにした話には、首を振る以外にありません。
しかしながら、そんな質問を私が受けるのには理由があります。「5S活動」をきっかけにして、「年間-2500万円の赤字から+5800万円の黒字」に変わった企業があるからです。他にも「4期連続黒字」「減収増益」「単年度黒字達成」などという企業があるからです。

5S活動の本当の成果


「5S活動」の本当の目的は【緊張感のある組織作り】ということにあります。
利益の出ていない企業の特徴は、「緊張感」のなさです。
・組織で決めたことが守れない
・「上」で決めたことが「下」に伝わっていない
・「下」の提案が「上」に通らない
・いつも言い訳をしている
・全員で何かをしたことがない
・「目的」や「工期(いつまでに)」がさっぱり分からない
・言いたいことが言えない
・「余計なこと」はしたくない・・・・・

こんな調子なので、組織が提出を命じた書類が期限内に出てこない。
お客からの依頼が関連した部署に伝わらない。
請求書の提出が遅れる。顧客の要望が拾えない。
遅刻者がいる。
会社の車が汚れていても気にならない。
会社の会議中にメールを読んでいる。
服装がだらしない。
社内で挨拶が出来ないので、取引先にも挨拶が出来ず、揚げ句顧客にも満足のいく挨拶すら出来ない。
メールの問い合わせにいつまでも変事を書かない・・・・・・

さて、こんな雰囲気の中で、利益が出るわけがない。つまり、組織に「緊張感」がなければ、生き残っていけないのです。
逆に言えば、「5S活動」によって「緊張感」のある組織を作り上げると、以前とは待ったく違う「環境」が目の前に広がってきます。

「5S活動」と「利益」

「5S活動」は、組織全体の活動です。「利益」も組織全体で上げるものです。
ばらばらの個人をひとつの方向に束ね、全員で活動が出来ることにより「利益」は必ず上がります。その時、「利益」の考え方も「緊張感」をもった仕組みにしなければなりません。安易な「安売り」や従来型の「粗利」の考え方ではこの厳しい経営環境の中で生き残ってはいけません。そのために【限界利益管理】という組織全員にとって「分かりやすい仕組みも構築する必要があります。「一円を拾う!」「一円を落とさない!」という全社的な取り組みも、「5S活動」の仕組みの中で同時に作り上げていきます。
「5S活動」で大きく変わった組織は、そのプロセスを、全員で、工期を決めて行いました。

「動けば」必ず組織は変わります。